小田原城といえば、巨大な総構えですよね!と、言うことで、今回の小田原城は、最近、リニューアルオープンした天守閣に脇目も振らず、総構えの外周を巡ってみることにしました。
さらっと小田原城の歴史
小田原城は、言わずと知れた戦国大名北条氏の本拠地として有名なお城です。小田原城は八幡山に築かれた山城が拡大を続け、北条氏の権力基盤が安定するにつれ、利便性の高い、平地に近い部分に城の主要部分が移動していきました。現在本丸や天守閣がある部分は山の麓の平らな部分にあります。小田原城は、山城から平山城に変化した好例なのです。そして、西国の豊臣秀吉との緊張が高まった時に巨大な外郭を備えた最終形状へと進化しました。その城造りは、徳川家康が江戸を作るときに参考にしたのではないかとも、言われていますね。
小田原駅西口から、交差点を渡って結構な坂道をずーっと歩いて行くと、現代の大堀切みたいに山の尾根をぶった切る形で道路が通っています。そこを総構えの外周端っこまで歩いて、小田原城の、外周を体力が続くかぎり歩いてみることにしましたー。
城はぐるーっと外周を歩いてみるとほんとに楽しいですよねー。今回のルートを地図にしてみました。まず、地図にそって、書いていきますね。
小田原城総構 ウォーキングマップ←散策にご利用ください☆
1.北條早雲公像
さて、小田原城の天守閣は小田原駅の東口からが近いですが、山城部分は、その逆の西口方面にあります。そして、西口を出ると後北条氏初代北条早雲の像があります。牛の角に松明を付けて、大軍に見せかけて敵に心的圧力をかける「火牛の計(かぎゅうのけい)」のシーンがモチーフになっています。かっこいい像ですね!
2.城下張出(しろしたはりだし)
総構えから突出した形に作られた張出。敵を後ろや横から射撃できる「横矢掛かり」として機能しました。この張出の手前にあった通路もクランクでしたよ!
3.山ノ神堀切
張出から10分ほど歩くと、山ノ神堀切があります。横の土塁からの高低差があまりないので、堀の部分は堆積物でかなり埋まっているんでしょうね〜
4.稲荷森
総構えの外側に巡らされていた空堀の様子がよく見える場所です。これ、1箇所じゃなく秀吉が攻めてきそうな箱根方面にむけて造ったんですよね〜。すごいですよね〜!そして、クモの巣注意!入り口はぼーっとしてると見逃すかもしれません。
5.小峯御鐘ノ台大堀切東堀(こみねおかねのだいおおほりきりひがしぼり)
小田原城、山城部分の一番の見どころでしょうか?北条氏時代の小田原城を今に残す大堀切の遺構。高低差12メートルの空堀を散策することができます。
6.三の丸新堀土塁
ここは、三の丸の土塁と外郭の土塁が重なる場所で、小田原城の端っこだから、秀吉の小田原攻めの時は、かなりの緊張があったでしょうね。向こうに見えるのは、秀吉が陣を張った石垣山です。見張りは24時間稼働してたのでしょうね〜。大変!
7.小峯御鐘ノ台大堀切西堀(こみねおかねのだいおおほりきりにしぼり)
小峯御鐘ノ台と三の丸を分断する堀切その1ですね。埋まってしまって、どれだけ深かったのか今はわかりませんね。
8.小田原用水取入口
巨大な小田原城の人口を支えるために引き込まれた小田原用水。日本最古の水道です。北条氏ってやっぱすごいですよね。良い領主です。
9.江戸口見付
総構えの東端です。用水取入口からは遠いので、バスで来ました。小田原討伐の時は、徳川家康の陣が、ここの対岸に作られたと言われています。
10.蓮上院土塁
戦国時代に築かれた土塁に、第二次世界大戦時の空襲が着弾してえぐられた箇所。写真だと見にくいですけど、ごっそり土がえぐれているのわかりますか?
11.本丸の土塁
小田原城の本丸の下から土塁を撮影しました。松の木で隠れてますが、こっそり天守閣も写っていますよ!
お城はやっぱり周りを歩くと楽しい
小田原城の外郭にそって歩くと、各所に段差、クランク状の道、ズドーンと下がる空堀や谷が巡っていて、戦国時代の様子を見ることができます。小田原城の山城部分は、普通の山城と違って、城下町を取り込んだ総構えなので、そこまで厳しい山登りをする必要もなく、見どころの大堀切の近くまで車で来ることもできるので山登りには自信がないという人でも、山城歩きを手軽に楽しめそうです。
そして、段差のある地形は、美しい景色も作り出します。手前に低い土地、その奥に小高い丘、その向こうには、山々が連なる絶景も楽しめます。小田原城は見どころが多すぎて、1日じゃまわりきれませんね。次は、外郭の内側もじっくり見て歩きたいです。
おまけのにゃー
ねこがいっぱいいたのにゃ