江戸幕府始まりと終わりの象徴か?!歴史の節目ごと表舞台に登場する二条城

二条城 唐門

今では世界的な観光名所となった二条城は、幕末に江戸幕府が朝廷に政権を返上した大政奉還の舞台として有名ですが、そのほかにも、様々な歴史の節目のドラマが繰り広げられた舞台でもあります。

現在の二条城は歴代4代目で(初代から3代目については後述)、関ヶ原の合戦後の1603年に徳川家康が天皇に謁見する為の上洛時に滞在する宿泊施設として作られました。ここで、徳川家康が征夷大将軍として任命される将軍宣下の儀式が執り行われ、徳川幕府がスタートしました。

二条城 二の丸庭園
二条城 二の丸庭園

徳川家康と豊臣秀頼との面会(二条城会見)が1611年にあり、その3年後の大阪の陣においては、家康部隊の本営として使用されています。豊臣滅亡後は、徳川家康から3代目家光の頃まで将軍の上洛のために使われていましたが、その後は将軍の滞在用としては、使われなくなりました。大地震や落雷により損壊や焼失した建物は修復されず、荒れ果てた状態のままになります。幕末の動乱の頃、徳川家茂が公武合体構想のため将軍として229年振りに上洛することとなり、二条城の二の丸御殿は全面的に修復され、本丸には仮御殿が造営されました。

本丸 天守台から見た堀
本丸 天守台から見た堀

こうして歴史の表舞台に舞い戻った二条城では、長州軍討伐のために遠征していた家茂が若干満20才で死去、その後を継いだ将軍徳川慶喜が徳川幕府最後の将軍のとなりました。二条城で征夷大将軍に任命され、その慶喜によって、大政奉還され、徳川幕府は終焉を迎えます。まさに徳川幕府の成立と終焉を見届けた城と言えるのではないでしょうか。

二条城 二の丸御殿
二条城 二の丸御殿

二条城には、先述の通り江戸末期に修復された二の丸御殿が現存します。狩野派の襖絵、表と裏で絵柄が全く違う欄間など価値のある文化財を見ることができます。一部は復元の襖絵が飾られていて、本物は二条城内の「展示・収蔵館(別途入館料100円が必要)」にて公開されています。

二条城本丸に移築された旧桂宮邸の御殿
二条城本丸に移築された旧桂宮邸の御殿

本丸には、二の丸に匹敵する絢爛豪華な御殿があったそうですが、再建されず、現在は京都御苑今出川御門内にあった旧桂宮邸の御殿が移築されています。

二条城 天守台からの眺め
二条城 天守台からの眺め

二条城 天守台
二条城 天守台
この本丸は水堀と石垣に護られ隅には天守台が残ります。水面からの高さ6メートルの天守台に登るとかなり遠くまで見渡せます。ここには伏見城から移築された五層の天守がそびえていたそうです。

二条城周辺マップ

堀川の看板そして、二条城の外になりますが堀川の竹屋町通から押小路通の間に二条城の石垣が残っています(二条城近隣マップ参照)。二条城造営時(1603年)に築かれた石垣で、二条城とともに国指定史跡となっています。ここの石垣には刻印が刻まれていて、それにより紀州浅野家の普請と考えられています。

二条城 堀川 石垣
二条城 堀川沿いの石垣

二条の外れにあった旧二条城

旧二条城
旧二条城 石碑
前述した、初代二条城から3代目二条城までは現存の二条城とは別の場所にありました。現在の京都府京都市上京区五町目町に石碑があります(二条城近隣マップ参照)。
初代ー室町幕府13代将軍の足利義輝の居城として造営された
2代目ー織田信長が、室町幕府15代の足利義昭の居城として造営した。
3代目ー織田信長が京の宿所として造営し、後に皇太子に献上した「二条新御所」

旧二条城 石垣
旧二条城 石垣
上記の中でも、2代目の二条城は織田信長が足利義昭のために造営し、石垣を用いたお城は当時の京の人々を驚愕させたと言います。そして、京都御苑下立売御門を入って左側の脇に当時の石垣が移築復元されています(二条城近隣マップ参照)。二条城内にも旧二条城の石垣が移築復元されているようです。

二条城まとめ

二条城 西南隅櫓
二条城 西南隅櫓

二条城は何度も訪れたことがある場所でしたが、今回の変貌ぶりには正直驚きました。特に二の丸御殿内にはクリアパネルが張り巡らされていて、中は見にくい上に二条城の情緒みたいなものはそれによって損なわれていると感じました。観光客の増加によってやむを得ない措置なのだと思いますが、保存と展示の両立の難しさを感じました。

二条城本丸の堀
二条城本丸の堀
とはいえ、庭園や城としての二条城はよく手入れされていて見ごたえがあります。小規模で防御力はかなり低い印象ですが、堀や高石垣などお城の要素はあって、お城の美しさだけを留めた形式美の城という、なかなか珍しいお城です。

出典

南條範夫・奈良本辰也(1997)『日本の名城・古城辞典』

二条城 世界遺産・元離宮二条城 – 京都市

二条城 – Wikipedia

オススメの本、雑誌

  • 日本100名城に行こう―公式スタンプ帳つき

    日本100名城に行こう―公式スタンプ帳つき

    100名城の見どころガイドと公式スタンプ帳が一冊に! 大人気の100名城スタンプ・ラリー。 その公式スタンプ帳がついた、オールカラー・ガイド。 持ち運びにも便利な、140ページのハンディ・サイズ。 100名城すべてのスタンプがそろい、登録を希望される方が本書を日本城郭協会に送ると、「登城完了印」と「登城順位」が記入されて返送されるとともに、『城郭ニュース』および日本城郭協会ホームページでお名前が紹介されます。
  • 一冊でわかるイラストでわかる図解戦国史

    一冊でわかるイラストでわかる図解戦国史

    一冊でわかる、イラストでわかる 図解 戦国史
    地図・イラストを駆使し、歴史のポイントを多面的に解説豊富な図版で戦国大名たちの勢力変遷も一目瞭然。
    室町幕府の崩壊
    戦国大名の出現
    織田信長の台頭
    織田勢力の拡大
    豊臣秀吉の時代
    徳川幕府の成立
  • 図解 戦国史 大名勢力マップ 詳細版 (歴史)

    図解 戦国史 大名勢力マップ 詳細版 (歴史)

    戦国時代100年を地図を使って時系列で図解。年代順による全国の戦国・守護大名の勢力範囲を中心に国人衆を地図で網羅!より詳細に解説しています。 家系図・人物相関図に大小30以上に及ぶ合戦も図解しています。

お城データ

 
お城名
二条城(にじょうじょう)
お城別名
旧二条離宮・元離宮二条城
概要
現在の二条城は徳川家康が築いた。二の丸御殿は現存。
所在地
京都府京都市中京区二条城町541
アクセス
JR京都駅から
地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から地下鉄東西線に乗り換え
「二条城前駅」下車
市バス 9・50・101号系統→「二条城前」下車
阪急 烏丸駅から
市バス 12・101号系統→「二条城前」下車
阪急 大宮駅から
タクシー,約5分
京阪 三条駅で地下鉄東西線「三条京阪駅」に乗り換え
「二条城前駅」下車
オフィシャルサイト

コメントを残す