100年ぶりに動いた400トンの弘前城天守閣と紅葉を見たらぜひ武家屋敷のある仲町も巡ってみよう!

地盤沈下で軋む天守閣はもう限界だった。

弘前城曳屋弘前城の現存天守閣を100年ぶりに移動する曳屋(ひきや)が2015年8月16日から10月24日まで行われていました。弘前城の天守閣は小振りですがそれでも総重量約400トン。老朽化した重要文化財である巨大な建造物を70mも移動するという作業は熟練の職人技を要します。3ヶ月かけてゆっくり移動させ10月24日に仮の天守台に着座、曳屋作業は一旦終了しました。天守台の石垣は天守閣の重みを受け東側が最大1m膨らんでしまっています。天守台の上部が地盤沈下して天守閣の構造体を歪める原因となっています。これから6年をかけ天守台の石垣の解体と修復作業が行われます。仮の天守台といってもかなりの期間使われるという事になりますね。

弘前城たわんだ天守台と石垣

弘前城たわんだ天守台(画面左側)と石垣


弘前城の紅葉は今が見頃!

弘前城紅葉ここ、弘前城は桜で有名ですが秋の紅葉の時期もライトアップされなかなか美しいのです。弘前城菊と紅葉まつりは11月8日(2015年)まで開催されています。新しい天守台に着座した天守閣と紅葉が一緒に楽しめるのは期間限定です☆そろそろ寒くなって来たので紅葉も終わりを迎えそうです、早めに弘前城へ行ってくださいね!紅葉が美しいお城は「紅葉が美しい日本のお城10選 in 2015」でご紹介しています。

弘前城からみた岩木山

弘前城からみた岩木山

弘前城紅葉

弘前城紅葉 東内門手前の橋

弘前城紅葉

弘前城紅葉

弘前城城下町の武家屋敷群「仲町伝統的建造物群保存地区」で弘前藩士の生活を垣間みてみよう

弘前城下町武家屋敷弘前城の詳しい情報は「東北唯一の現存天守 弘前城に行ってみた。」でご覧頂くとして、今回は弘前城の北側を守る武家地である仲町を紹介したいと思います。弘前城の亀甲門(追手門)を出て通りを渡ると仲町になります。このエリアには4軒の津軽藩武家屋敷が保存されています。保存地区では現存する武家屋敷の他にも、通りに面した生け垣は雪に強いサワラ垣、各住宅の門は伝統的な冠木門または薬医門で整備され、街全体を藩政当時を彷彿とさせる情緒ある武家屋敷の風情に整備していく予定のようです。

旧伊東家住宅

弘前城下町旧伊東家住宅仲町の西側にあるこの旧伊東家住宅は藩のお医者さんの家系であった伊東家の居宅でした。約200年前に同市元町に建てられたものですが現地に移築復原されています。石高100石の武士の屋敷と同程度の屋敷でした。(100石取りだと手取り40石なので、日本銀行貨幣博物館の1両(=1石)を4〜6万円と試算というのを参考にすると、年収200万程度)現存する建物の他に台所や居宅用の部屋があったと推測されていますが、現在では原形は不明となっています。

旧梅田家住宅

弘前城下町旧梅田家住宅旧伊東家と続きの敷地にあるこの旧梅田家は立派な茅葺き屋根の古民家です。同市在府町にあったものを現地に移築しています。こちらも100石取りの武家屋敷で160年ほど前に建築されたと思われています。

旧岩田家住宅

弘前城下町旧岩田家住宅保存地区の東側に1軒だけ離れて建つこの旧岩田家住宅は唯一現地にあった武家屋敷で、敷地も藩政時代からほとんど変わっていないと考えられています。最後に居住していた岩田家は300石取りでしたが、現在は初期の頃までさかのぼって復原されたものです。当時の居住者の石高は不明ですが家の規模からすると岩田家よりも低い石高だったと想像できます。

旧笹森家住宅

弘前城下町旧笹森家住宅こちらは上に紹介した3軒よりも古く260年ほど前に建てられた下級武士佐々森博三郎の家です。他の3軒と比べると簡素で屋根は板張りで冬はすきま風が入るであろう造りの住宅です。100石でも生活は楽でなく冬も寒かったと思われますが、こちらの旧笹森家住宅を見て、さらに厳しいであろう冬の生活を想像すると震え上がります。各住宅には管理人さんがいらっしゃって、詳しく住宅の歴史などを教えてくださいます。こちらの旧笹森家住宅の管理人のおじさんと1時間くらい話し込んでしまいましたw。保存地区の整備がもっと大規模に進んで岡山の倉敷レベルの景観が再現できたらいいですねとか、弘前城天守閣の曳屋の話、冬は寒過ぎますよねこの家とか、桜の時期はもうホテル満タンですから、青森とかに泊まって(弘前まで電車で40分くらい)来たらいいですよね〜などなど色々。沢山資料も頂いて本当にお世話になりました。

弘前城の鬼門の守り弘前総鎮守弘前八幡宮

弘前八幡宮弘前八幡宮は現在の弘前市八幡町にある神社です。弘前二代藩主津軽信枚(のぶひら)がこの地に建立しました。本殿は弘前城と平行して造営が進められ、弘前城の完成から3年遅れで竣工しました。創建当時の弘前城と同時期の建築物として重要文化財となっています。弘前八幡の前身であった大浦郷八幡は平安初期、坂上田村麻呂が蝦夷征伐で苦労していた時に、八幡村(現在の旧岩木町八幡)に祠を建てて武運を祈願した事が起こりとされています。この逸話をみると大和政権の北への侵攻は本州の北端まで到達していたというのは本当なのかもしれませんね。まだ発見されていない城柵があったりして、、、

弘前城まとめ

弘前城津軽氏弘前城は観光への取り組みも熱心で、新幹線が直通していないという立地にもかかわらず知名度は高い方のお城ですよね。マスコミでも取り上げられる機会が多いように思います。これからは城下町の整備もいい感じにしてもらえると、城郭ファンとしては嬉しいですね〜。来年の桜の時期にもレポート書けたらいいな〜と思いつつ弘前を後にしました。

関連リンク

弘前観光パンフレット

旧伊東家住宅・旧梅田家住宅、旧岩田家住宅、旧笹森家住宅|弘前市

旧笹森家住宅|弘前市

お城データ

 
青森県弘前市下白銀町1 弘前城
お城名
弘前城(ひろさきじょう)
概要
津軽藩二代藩主津軽信牧(のぶひら)によって築かれた。
主な城主
築城主:津軽信枚
所在地
青森県弘前市下白銀町1 弘前城
アクセス
バス:弘前駅から弘前市内循環100円バス【弘南バス】弘前公園下車
営業時間
4月1日~11月23日 9:00~17:00
さくらまつり期間 7:00~21:00
定休日
11月24日~3月31日
料金
弘前城本丸・北の郭:大人 310円、子供 100円
駐車場
なし
オフィシャルサイト

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